魚津三太郎塾第6期
魚津市/富山大学
地域課題と企業課題を解決する地域プロジェクトの創造 いざ未来形魚津へ!

事業レポートReport

魚津三太郎塾第7期4日目
高低差4000環境論

日時:平成30年9月20日(木)14:00〜17:00
会場:魚津市役所 第1会議室

魚津三太郎塾第7期の4日目が開講。「高低差4000の環境論」として,科学的な解析や地球環境の観点から『魚津の水循環』の根幹となる水・物質の循環と富山の水資源や富山湾についての講義を受け,富山・魚津の水資源の重要性と富山湾の魅力を学んだ。

4日目 第6限講義
高低差4000環境論① 水・物質循環〜富山の水資源と富山湾〜

講師:富山大学大学院 理工学研究部 教授 張 勁氏
講師:富山大学理工学教育部     博士 片境紗希氏
4日目 第6限講義 高低差4000環境論①

自然環境の分野は日々変わっていくので,過去の常識が現在も正しいとは限らない。疑わしいと思ったら自ら確かめることが重要であると研究者としての基本の考え方を伝授。受講者全員で『うおづのうまい水』『黒部の湧水』『富山市の水道水』を飲み比べ魚津の水の美味しさを体験。同様の一般への利き水調査でも魚津の水が選ばれたと紹介。水のおいしさを決める要素として水温・溶存成分・風味をあげ,溶存成分の解析でおいしさを数値化比較できると説明。富山の水はレベルが高く,その中でも魚津の水は更に高いことを示し,片境氏は「魚津はおいしい水の代表として富山県をリードしてもらいたい」と話した。

環境省が選んだ日本の名水百選に選ばれた名水数は,北陸・富山が全国で最も多いことを示し,富山は熊本と並び日本一名水が多い。北陸は降水量の多く特に冬の降雪量の多さが影響している。水の味覚はイオン成分より科学的に分析でき視覚的に比較でき,地下水や湧水の分子構造の酸素同位体比分析でどこの高度で降水したものに由来するか判別でき,トリチウム濃度の分析で水の年齢も判別できる。富山湾の海底湧水は10〜20年前の高度800〜1200mの地中に浸透したもので河川に比べ,窒素・リンを1.3倍含んでいる。富山の名水の起源は山岳中腹の森林域であったことから名水と森林は深い繋がりがある。富山の自然によって磨かれた水資源は富山の宝である。「樹1本ブリ千本」森を大切にすることで海が豊かになる。

富山の地球上での位置は北緯約37度。気候は100m高度が上がることで緯度1度が上がる地点での気候となる。3000m地点での気候は北緯67度の北極圏と同じである。また,富山湾に流れ込む対馬暖流は亜熱帯由来のもの。高低差4000mの富山は北極圏から亜熱帯の気候を有する世界的にも特異な地形であり,僅か50kmの範囲にこの気候が存在している。魚津市は総合計画でも水と緑の保全と活用に力をいれている。水は資源であり,日本の包蔵水力、富山の包蔵水力は高い。近年は降水量の変化や人間活動に伴う地下水の長期変化による影響がでており今後も影響していくだろう。

気候変化などは日本海・富山湾の海洋環境も影響を受ける。海水温上昇により海中酸素量の減少や栄養分,プランクトン生態が変化し,富山湾で不漁のブリが北海道で大漁であったなど生息する魚にも変化がおきている。日本・東京の近年の気温上昇は世界的にも激しい。日本海は世界海洋大循環のミニチュア版でもあり,日本海の変化を研究することは世界の環境を考える上でも意味深く国際連携して気候変動に対応するために取り組んでいる。地球の年代と生物史の観点から現代を人間が環境に影響を与えた「アントロポセン(人新世)」と唱える考えがある。人間が環境に与えたツケをこれから払わせられる時代となるだろう。

4日目ディスカッション
論点:富山の水資源・魚津の水循環の魅力や世界的価値とは
   魚津の水資源を維持しながら活用するには

4日目ディスカッション

今回の講義内容を受けて,塾生間でディスカッションをおこなった。富山の水資源・魚津の水循環の魅力や世界的価値を自分の言葉で表現できることと,魚津の水資源を維持しながら活用していくには何をするのか,そこに自分の企業がどう関わることができるかを論点に,塾生が2班に分かれてグループ討議をおこない考えをまとめ個人ワークシートに記入した。

まとめた内容は各塾生一人3分の持ち時間で発表。水資源の価値や魅力,魚津の水循環の活用など塾生の本業と重ね合わせた意見や考えが発表され,講師から各々コメントが寄せられた。張教授は「学者は学問を一般的に伝えるコトが苦手である。様々なエビデンスを提供していくので伝えてもらいたい」と話し,事務局の伊串氏からは「7期三太郎塾は魚津の水循環を必須テーマにしてないが,どこかにつなぎ止める事業にしてもらいたい」と話した。