魚津三太郎塾第8期の8日目が開講。地域再生システム論として人口減少が進む中での地域づくりについて子育てを課題とした全国の事例や舟橋村での取組事例,塾生OBが魚津で取り組んでいる事例などをケーススタディに,地域が抱える人口減少・少子化の課題解決へ方策や課題解決の地域ビジネスについて議論した。
人口減少時代にあなたは必要なのだろうか?と塾生への問いかけ,必要と言ってもらわなければ生き残れなくなる時代となると話し,先回の魚津市長講義でのディスカッションでの発言内容を振り返り,魚津市の地域課題の根底に人口減少・少子高齢化があることを再確認。地域課題を理解し,高齢化対策や人口減・少子化を歯止めする地域づくりやビジネスとしての取組みがポイントとなると示し,地域づくりに影響する大きな変化となった人口減少・少子高齢化について説明。
日本の人口推移から2000年に人口増から減少へ一転して人口予測も急激な減少を示すようになり課題化したと説明。年齢階級別純移動数の時系列分析の高岡市のデータから,大学進学時,就職時,結婚時等の人口移動による人口減少を示し,反して人口増加となる状況を横浜市のデータから説明。子育て世代の流入に成功した千葉県流山市の人口データを示し,ターゲットを絞ったシティセールスの有効性と子育て環境の重要性を流山市の政策事例を紹介して説明。
また地方の事例として長野県下條村の住民協働で道路工事などにより削減予算で若者定住促進住宅を建設し,コミュニテイ形成と合計特殊出生率向上に成功した取組みを紹介。さらに埼玉県で積水ハウスが取り組んだ「子育て共助のまち普及モデル事業」や旭化成ホームズの子育てコミュニティ賃貸住宅「ヘーベルメゾン母力」の事例や良品計画による小規模公園の再生事例を紹介し,コミュニティをつくり子育て世代をターゲットに呼び込みを図る取組について説明した。県内の事例として舟橋村が取り組む地方創生プロジェクトをあげ,経緯や解決課題・背景について説明し,子育て共助の地域づくりと子育て支援賃貸住宅・公園・認定こども園で形成するモデルエリアの整備事業について紹介。
モデルエリア内の公園の新しい使いこなし方公園の専門家として携わってきた金岡造園社長から詳しい内容をヒアリング。プロジェクト参加理由から造園業の課題,実際に取り組んでの課題や感想などを交え,これまで3年間あまりの取組と成果を説明。限界を感じていた従来型公園づくりでの人集めの課題や真のニーズを掴む仕掛けの必要性,イベントを重ねていく中での課題などを解決した園むすびプロジェクトの活動を紹介。こども公園部長の活動,クラウドファンディングの挑戦,月イチ園むすびの活動について説明し,この公園があるから舟橋に住みたいという声があがるほどの成果があがったと話した。
自己紹介とココマカロンのお店を紹介。
cocomama設立の背景にあった子育てママのワークライフの多忙さやフリーランスで仕事する悩みを説明。魚津三太郎塾では自分の悩みをCSVを活用して解決することを学んだと話し,キラキラ輝くママプロジェクトを修了式で発表。三太郎塾修了後に第2子出産を経て,フリーランスママさん達の後押しでマルシェを企画し,「cocomama七夕マルシェ」を市内の果樹園の納屋で開催し300人以上が来場、多くのメディアにも取り上げられたと話した。
ママの多様な働き方にはニーズがあり,フリーランスママの活躍が子育て中のママも輝く賑わいの場を生み出し,個人にとっても地域にとっても相乗効果があると話し,フリーランスママを後押しする応援団「cocomama(ココママ)」を結成。
現在7人のメンバーで,マルシェやワークショップによる販売市場拡大や認知度のアップ,活動の範囲の拡大やスキルアップの勉強会などの開催,育児の助け合う仕組みづくりやフリーランスママを目指す方への後押し,メディアとのタイアップや行政・他団体との連携などの活動に取り組んでいると紹介。ママが輝ける街にすれば,女性・ママ移住者は増加する都考えていると話した。
今後の展望としてお金をまわす仕組みをつくりたいと話し,三太郎塾で学んだCSVを取り入れて最も良かったことは地域課題解決でメディアに取り上げてもらうことが多くなったことで知名度が上がっていったことで本業のココマカロンのほうも良い循環が生まれてきたと話した。将来の展望として,ココマルシェの規模拡大し,大きな託児所完備し魚津の地域資源を活かした子供の為の職業体験の実施や,様々な手に職を持ったママが子供を預けて仕事ができる商業施設の開設,魚津市内での助産院の設立,魚津(富山)は子供の五感を育てるまちであることの啓蒙活動を目指していきたいと語った。最後に塾生へ向けて,塾の修了式がスタートとなり,今後自分がワクワクする提案を考えてくださいとエールをおくった。
今回の講義を受けて,塾生は2グループに分かれ講師を務めた金岡氏と大島氏を交えた座談会スタイルでのディスカッションがおこなわれた。各塾生はCSVや仲間づくり,コミュニティ形成,子育て共助について等事業プロジェクトのポイントなどヒアリングしながら各自のワークシートに記入,各グループでの討議をおこなった。