魚津三太郎塾第6期
魚津市/富山大学
地域課題と企業課題を解決する地域プロジェクトの創造 いざ未来形魚津へ!

事業レポートReport

魚津三太郎塾第8期10日目 CB育成起業化論②

日時:令和元年12月5日(木)14:00〜17:00
場所:魚津市役所 第5.6会議室

魚津三太郎塾第8期の10日目が開講。コミュニティビジネス育成起業化論の2回目として人口減少による日常サービスの影響や小さな拠点について学び,コミュニティを創りそのコミュニティからビジネスへつなげている大越仏壇の事例をケーススタディに,地域課題解決と企業ビジネスのCSVについて考えた。

10日目第12限講義
CB育成起業化論②
講義:地域づくりの最前線

講師:富山大学地域連携推進機構 金岡省吾教授
CB育成起業化論② 地域づくりの最前線

人口が減少すると地域がどうなってしまうのか,日常生活サービスへの影響や小さな拠点,コミュニティサービスについて講義。国交省のホームページでも公開している2050年の日本の姿から人口分布の変化を示し人口減少の要因や地域変化について塾生に問いかけながら限界集落・消滅市町村について説明。

過疎地だけでなく中心都市でも同様の課題があると話し,地域経済分析システム(RESAS)の将来人口変化をメッシュ表示した富山県および魚津市のデーターを示し,身近なエリアをイメージしながら人口減少が引き起こす地域の変化は何か塾生に問いかけ,商店の減少など生活サービスの崩壊や祭文化の伝承,農地山地の荒廃などの意見が出され各々について説明。

集落生活圏サービスの維持確保のための取り組みをおこなう全国の事例を紹介しながら小さな拠点をつくり地域住民が地域課題解決に取り組み,地域ビジネスで新たな運営組織づくりをしていると講じた。

10日目第12限講義
CB育成起業化論②  「寺子屋づくりに向けて」

講師:株式会社大越仏壇 代表取締役 大越則夫氏
CB育成起業化論②  「寺子屋づくりに向けて」

自社の課題として家族形態の変化や和文化の減少により仏壇が小型化するなど,時代とともに需要規模が減ってきていることや地域での寺院離れが進んできていることをあげ,同業関連企業が廃業や業務転換を図る状況の中,寺院関連へ力を注ぐ方向を選び,自社工房での金箔体験や法話会の開催,寺院への出張寸劇や紙芝居の実施,寺院の宝物展,寺院後継者支援のための婚活「寺コン」の実施などに取り組んできたと紹介。

2014年から15年に,たかおか共創ビジネス研究所で地域課題を解決するCSVの考え方を学んだ。少子高齢化社会と地域寺院の結びつきを考え,寺子屋事業をを修了式でポスター発表し,2019年まで7回の寺子屋を開催した。寺子屋では餅つきや団子作り,流しそうめんや竹とんぼ作り等,地域住民が企画した体験イベントや夏休みの宿題,礼儀作法などを子供たちがお寺で学びながら地域の高齢者らと交流している。子供たちや保護者,お世話する地域住民から礼賛されていると話し,新たな地域の要望が生まれ,毎年開催されることとなるが,次回以降の開催運営には携わらず,地域で自走自立して運営してもらうと話し,次々と他の地域の寺院へと拡げている。高齢者向きの寺子屋として,介護や相互扶助を考える講演会も寺院で開いている。

お寺にコミュニティをつくり,お寺を「気の合う地域づくり」「心身の健康づくり」の場とする活動で地域の課題と自社の営業へつなげる活動として大越仏壇のブランディングに取り組んでいる。

ディスカッション・座談会
論点:事業プラン立地の思考/取り組みが地域や本業に与える効果

①大越仏壇さんの取り組みはどこがおもしろい?
②大越仏壇さんの取り組みを分解!!

今回の講義を受けての質問や感想,企業課題や地域課題などについて各塾生がワークシートに記入し,記入内容を元に各グループでの討議をおこない,共有・発展・整理した。各塾生がまとめた内容をもとに発表と講師への質疑がおこなわれ,企業の社会的意義や企業の永続性,寺子屋事業の効果や経営変化,地域変化など事業内容や経営・地域状況など深く掘り下げた討議と意見交換がなされた。寺からのコミュニティ,そのコミュニティからビジネスへつなげる今回の事例研究から,塾生たちは多くの気付きや事業ヒントを得ることが出来た。