魚津三太郎塾第6期
魚津市/富山大学
地域課題と企業課題を解決する地域プロジェクトの創造 いざ未来形魚津へ!

事業レポートReport

魚津三太郎塾第8期開講式

日時:令和元年8月21日(水)15:00〜17:00
会場:魚津市役所 大会議室
魚津三太郎塾第6期開講式

富山大学と魚津市の共同主催による魚津の将来を担う企業人・地域リーダーの育成を目的にしている魚津三太郎塾第8期開講式が行われた。塾生たちは来年3月まで魚津の水循環をテーマに,魚津の自然や環境・課題と地域課題解決の事例を講義と演習で学び,地域と企業の課題を解決するビジネスプランや地域プロジェクト創造を目指す。

開講式には第8期塾生の他,主催の富山大学,魚津市関係者,協力金融機関各行と後援機関各団体関係者,塾生OB,マスコミ関係者など約60名が参加した。

主催者挨拶・来賓挨拶

村椿晃魚津市長・富山大学 遠藤俊郎学長
魚津三太郎塾塾長 村椿晃 魚津市長

第8期魚津三太郎塾のスタートを迎え嬉しく思う。地域を元気に活性化するためには地域固有の資源を生かした取組が重要である。もっと大切なのは生かす人がどれだけいるかである。人を磨いて地域を元気にするのが三太郎塾である。60名以上の修了生は魚津・富山県を元気にしている。この取組は全国で注目されており,仕組みとして富山大学の支えとサポートがあってこそであり感謝申し上げる。修了生たちは多様なネットワークを築き魚津を引っ張ってもらっている。塾生の皆さんは修了まで,仲間を増やし,自分を高めて社会貢献できる取組を担ってもらいたい。


富山大学長 齋藤滋 学長

地域創生という言葉がない時代から,地域資源を活かし自分たちが元気になっていくかを議論して自ら企画してネットワーク形成してきた事業であり修了生は様々な事業をおこしている。これから7ヶ月間,自己研鑽に励み,多くの仲間とともに事業を立案して実現して魚津市を元気にしていってもらいたい。この取組は経産省だけで無く総務省・内閣官房庁でも高く評価されていると聞いている。7ヶ月後の修了式で元気な姿を見せて,富山県・魚津市を盛り上げてもらいたい。富山大学も最大限の協力をし一緒に頑張っていきたい。 


来賓挨拶 財務省北陸財務局富山財務事務所長 千崎誠一氏

魚津市の蒔いた人材育成の種が富山大学との連携で魚津三太郎塾という形で芽吹き,これまでも地域を担う素晴らしい起業家などが数多く排出していた。また,産学官金の連携によるCSVを目指した人材育成の取組は他県へ波及し全国でも高い評価を受けている。地方創生・地域連携の取組は地域資源・魅力を一番知っている地元の人が取り組むことが最も大切なことであり,新しい取組へのチャレンジを地域の関係者で支援できる環境ができれば自ずと地域活性化につながっていく。魚津には地域活性化の土壌が出来ている。これまで以上に課地域関係者が連携して更に推進して欲しい。各金融機関も地域のためにご支援ご協力いただきたい。

第1限 オリエンテーション
魚津三太郎塾の軌跡 〜事業概要と目標〜

オリエンテーション
魚津市企画政策課 伊串祐紀

魚津三太郎塾第8期開講にあたり,魚津三太郎塾の開講の目的と背景,塾の概要・予定,修了生の動きについて説明。魚津市の人口推移・年齢構成・事業所数の推移から人口減の課題と働く場の必要性を示し,自ら考え行動する人材の育成を目標に,地域課題の解決をビジネスで取り組むコミュニティビジネスと魚津の水循環(地域資源)を学び,環境(地域課題)と経済の両立・CSV(共通価値の創造)をとらえ起業・第2創業の手助けを目的とした魚津三太郎塾を富山大学と共同主催したと説明。

本塾と産学官金との連携関係を説明し複合的に塾生をバックアップしていると紹介。「魚津の水循環」を主テーマに置いた講義予定と運営に際しての視点のキーワード「環境ビジネス」「社会的課題」「地域的課題」「価値の創造」を紹介し,これまでの修了生の動きや現在の取り組みを紹介。魚津三太郎塾を核として広がっていく修了生の活躍やネットワークと今後の塾の可能性を示について説明した。

8期生 自己紹介

自己紹介

本日参加の8期塾生が自己紹介をおこない,各自1分の持ち時間で企業情報や事業内容,本塾への参加動機や抱負などを発表した。

第2限 座談会
「明日の魚津を考える」 〜人材育成システムとしての魚津三太郎塾〜

パネリスト  :村椿晃塾長,齋藤滋学長,8期塾生,来場者
話題提供   :島澤達也氏(3期修了生)
プレゼンター :富山大学地域連携推進機構教授 金岡省吾教授

人材育成システムとしての魚津三太郎塾の方向性や明日の魚津を形成する未来の力についてをテーマに座談会が開かれ,塾生へのエールや参加者の意見交換が行われた。

話題提供: 「魚津三太郎塾で学び,地域を元気に」
      島澤達也氏(3期修了生・有限会社コンポスト)
島澤氏
島澤達也氏(3期修了生・有限会社コンポスト)

塾では具体的な形として道の駅を誘致し,その中でCSプラットフォームを作り事業者間の連携でのローカルビジネスネットワークを形成させることを提案した。塾修了後に魚津三太郎倶楽部を立ち上げ,市内の地域や環境に良い商品を繋ぐことをコンセプトに活動し,ギフトカタログ「おつかいもん魚津」では魚津水循環をテーマに販売をおこなった。事業者が交流を図るコワーキングスペースの必要性を感じ「コワーキングスペースmachi-co」の運営に取り組み,市内外の事業者や学生などに利用してもらっている。事業所交流として取り組んだこととしてNEXCO中日本と富山大学との連携事業として「魚津めぐり」を製作し,地元事業者との連携を図り企業ネットワークを拡げて運営している。

遠藤学長
金岡 教授

地方創生の中で三太郎塾が注目されている。ノウハウを高岡へ持っていき高岡から呉西広域圏6市で展開,多くのプロジェクトが動いている。県外和歌山県田辺市へも波及し大きな効果をあげている。地方創生まちづくりフォーラム「まちてん」でも取り上げられ,このシステムを首都圏でも興味をもちはじめ国も注目し,この仕組みを全国へ拡げられないかという動きが出てきた。

遠藤学長
『明日の魚津を担う塾生たちへ』今期の塾生に期待すること
村椿晃 魚津三太郎塾塾長

今期塾生の自己紹介を聞き,目的意識や課題を持って参加していることが判り塾生への期待しかない。仕事や関連した活動を我々に繋いでもらい応援していくことを考えていければと思う。大きな期待しかない。

村椿市長
『明日の魚津を担う塾生たちへ』大学として魚津三太郎塾への期待
齋藤滋 富山大学長

小中高で授業を大学で講義を受け,社会に出ると実体験・実際に行動を起こすことがが必要となる。教育の分野でもアクティブラーニングという従来の一方的な学習でなく,テーマを与えて仲間と実際に考え答えを導く学習が取り入れられている。今データは世界中から集めることができる時代である。情報を収集して魚津で何が出来るのかを学んでいくことが地域創生につながっていく。大学スタッフを利用して金融機関が納得するプランを創り上げ魚津を元気にさせて欲しい。正解は幾つもありどの道を進むかを見つけ出して成功に向ことを期待する。

塾参加にあたって  意気込み・抱負・想定している事業内容など
島澤氏
石崎 塾生

「課題は個人であること。バックアップが欲しい。ママたちが安心して地域で子育てできるのかを考えていきたい」

大島氏
佐々木 塾生

「家族経営の企業で将来の仕事を考えるキッカケとして参加した。環境を活かすビジョンが今は見えない,勉強してどう変わるか,これからの人生・経営にプラスになるよう生かしたい」

川原田氏
菅野 塾生

「ビジネスの在り方が変わってきたことを実感,業界全体が縮小傾向で将来への不安がある。課題解決型の自分たちで仕事をつくる必要がある。全く違う分野も模索中で,地域の課題を解決した新たなビジネスを探りたい」

森岡氏
寺崎 塾生

「ファイナンシャルプランナーの認知が足りない。生活の中で必要かどうかを一緒に考えて幸せを売ることが仕事。モデルをつくりコミュニティを形成していくことが抱負」

南部氏
飛世 塾生

「造園業は男性の職場で女性が職人として関わる事が少ない。出産して仕事を続けていけるモデルがない。魚津を拠点とした仕事を考えたい。魚津への誇りを子ども達へ伝え,高齢者の介護予防の仕組みを考えたい」

鈴木氏
永田 塾生

「施設管理公社のため業務形態が国・行政の流れに直結している。指定管理の+αの部分を見つけたい。ミラージュランドは少子化の影響を如実に受けている。ターゲットを見直し魅力ある公園にしていきたい。魚津の水循環は大切で深く学んでいきたい」

新井健志
宮本 塾生

「市の税収減少が課題。人口減少で住民税が減少,事業所数減で法人住民税が減少してきている。税収減は行政サービスに直結し,魚津市の魅力減少につながり負のスパイラルをもたらす。ビジネスにつながる仕組みを考え,魚津が元気になる取組をしてマチの魅力アップさせ人口増税収増というプラスの循環を生み出したい」

岡本氏
吉本 塾生

「知名度の無さが企業課題。映像やVRのクオリティを知ってもらいたい。東京からUターンして起業したが魚津の魅力がわかっていないので勉強していきたい」

協力・後援機関からのエール  人材育成塾としての塾に対する感想
財務省北陸財務局富山財務事務所長 千崎誠一氏

「意欲を持って入塾してきたことがヒシヒシと伝わってきた。これから三太郎塾で色々なことを学び,それを生かして自らが考えた企画を出していってもらいたい。事業を起こすには稟議を通さないと継続していかない。人・地域・企業の方を仲間にしてネットワークを築いて欲しい」

日本政策金融公庫富山支店国民生活事業統括 森田達也氏

「ソーシャルビジネスは以前は福祉・介護の分野だったが,今は社会課題解決・地域活性化の分野での事業立ち上げが増えている。公庫としても最大限支援していきたいと思う。大衆から個人,競争から共創,モノからコトへと変わってきている。情報提供できるところは協力する。地域の素晴らしさを気づいていないことを皆で気づかせてあげて欲しい」

富山県新世紀産業機構 富山県よろず支援拠点コーディネーター 中陣和人氏

「経営よろず相談を無料で行っている。富山のほか月に1度、魚津商工会議所でも催している。新世紀産業機構では補助金や販路開拓など様々な支援メニューがあるので活用して欲しい」

北陸職業能力開発大学校校長 清水正明氏

「自然の仕組み・成り立ちをしっかりと理解することは大切。真実を見極め真理を探求する,自分で裏を取り理解する力をつければビジネスに必ず役に立つ。上辺だけを見るのでは無く本質が見えるようになるまで勉強していってもらいたい。人材は魚津の財産,将来性のある人材を育成しネットワーク化していくことは,魚津の活性化につながる」

閉会挨拶

閉会挨拶
富山大学 理事・副学長 武山良三 副学長

8年間に渡りこれだけの数の受講生を確保していることは驚異的である。三太郎塾が地域に定着しているのだと思う。地域と自分の課題を合わせて考えることは非常に価値があることである。高いモチベーションを持って参加してきている思いを継続してもらいたい。継続の力になるのは仲間たちである。3月のプレゼンテーションを楽しみにしている。